誇り高きラクラ様

●我が家の愛猫ラクラは御年十八才。人間で言えば八十八才くらいという長寿ネコです。
いや、老婦人と言うにふさわしいたたずまいであります。

 

 
次女が京都で学生のころから飼いはじめ、やがてうちの子に、いや女王様になったのです。
以前は3匹(?匹でいいのかな?)いたのですが、最年長のコタロウが何年か前に亡くなって、
今はラクラ様とタ
ローという間抜け顔のオス十四才がいます。

 

 
●さて、そのラクラ女王様が昨年暮れから体調が思わしくないのです。
どうやら鼻の中にできものがあり、
息がしにくい。
ピースーピースーといかにも詰まって
いる感じの音がします。

 

 
僕自身も昔から鼻ポリーブができやすいたちで、昨年8月には4回目の手術を入院して
全身麻酔で切ったほ
どですから鼻づまりの不快さはよーくわかります。

 
地元の名医清水先生にかかっていますが、老齢なことと神経質なこと、
そして大学病院なら手術ができるが
体が持つかどうか心配ということで、
2週間にいちど
注射を打ちながら様子を見ています。
鼻づまりで食べにくいせいもあり、体重は若い頃の4キロから今では 2.6キロまで痩せてしまいました。

 

 

●しかしで、あります。

 

 
ラクラ様はそんな息苦しさとか、痩せてしまったしんどさとか、
食べることのもどかしさとか、全体の不調
が絶対あるはずなのに・・・

 

これがまた、

 

 

 

 

 
としておるのです。まことに立派。ネコの鑑。
人間などとは、特にわたく
しなどとは比べ物にならないくらい、
凛!

 

 
としています。

 

体が悪いからとか、老いてきたからとか、めしが思うように食えないからとか、
そんなことと私の心は関係ない、と言われているような気がします。

 

 
かの中村天風師が言った「体が悪いだけで、心が病んでいるのではない」という真理を、
まさかネコ様にあらためて教えていただく
とは思いませなんだ。

 

 
調子が悪い時には見事なほど動かずじっとしています。
時おりベッドからトン!と飛び降りて水を飲んだり療養食を食べたりしますが、
ベッドに戻るときにも「ヒ
ョイ!」と軽快に寝床に帰するのです。

 

 

●僕がこの「キッカケコトバ」で、人生について色々なことを、わかったようなことを書くのですが、
そん
なものは「屁理屈だわ!」と言われているようです。

 

生の最終章に立ったとき、果たして僕はラクラ様のように振る舞えるのでしょうか。

 

あっ、今二階から・・・

 

ラクラさまの・・・

 

「ふん」という声が聞こえてきた・・・